今回は「Angel Beats! -1st beat-」の感想、ネタバレ無しレビューです。
どっぷりとエンジェルビーツの世界に入り浸れる、最高の作品としてでき上がっています。
Angel Beats!-1st beat-とは?
2010年にアニメとして放送された「Angel Beats!」のPCゲーム版、いわゆるギャルゲーです。
全6巻構成となっていて、今作は「1st beat」ということで第1巻となります。この第1巻では「ユイ」「岩沢」「松下」をメインとしたルートENDが描かれています。
原作であるアニメでは語られなかった、登場人物それぞれの生前の過去。さらに多彩な選択肢によって、アニメとは違ったイベント展開を味わえます。
1st beatに用意されているルート
- 「ユイ」エンド
- 「岩沢」エンド
- 「松下」エンド
- 「松下」エンド ダイエット.Ver
- NEXT BEATエンド
- BADエンド×9~
詳しく描かれるキャラクターの生前
- 「音無」の生前
- 「ゆり」の生前
- 「ユイ」の生前
- 「松下」の生前
- 「日向」の生前
- 「直井」の生前
- 「ひさ子」の生前
その他にも「椎名」「チャー」「藤巻」などの生前にも、少しではありますが触れられます。
各ルートの感想
「ユイ」ルート
ユイは生前、交通事故に遭って歩けない身体になってしまい、やってみたい事が何もできなかったという未練がありました。これはアニメでも描かれていましたね。
寝たきりの介護による母親への申し訳無さ、こんな身体では結婚なんてできないという諦め、そんなユイの想いが思い浮かぶたびに心が痛いです。そして日向がユイを卒業させるシーンもまた感動。アニメでネタを知っていてもこれは泣かずには居られないですね。
生まれ変わったあとに、日向とユイが笑い合っているシーンがまた何ともいえません。
「岩沢」ルート
生前は恵まれない家庭環境にあった岩沢。心のよりどころであった音楽さえも、両親の喧嘩によって声とともに奪われてしまいました。
アニメではゲリラライブ中に歌いきって卒業しましたが、今作ではそれが正規ルートではありません。1st beatでは「恵まれなかった家庭環境」という未練を果たすために音無とともに歩んで行くのですが…、っくぅうぅぅ!!これはネタバレになるので言えません。
岩沢が卒業してしまう時の「どうしようもない」という辛辣な感情で心を締めつけてくれます。
「松下」ルート
この松下もまた、生前に未練を残した一人です。
難しい過去を背負い、どうやって未練を果たすのか不安ではありましたが、卒業時の松下の晴れやかな笑顔でそんな思いは一気に払拭されました。やはりSSSメンバーの一人というわけあってキャラクターがしっかりしています。
アニメでは知ることの無かったイベントやシーンがたくさんあったため、男キャラという懸念を感じさせないほどストーリーに没頭させられてしまいます。
BADエンド
この1st beatには選択肢が「山ほど」用意されており、そのぶんBADエンドも相当数。
攻略サイトに記載されているだけでも9つあり、選択肢によっては15~20ものBADエンドを見ることが可能です。
例えば、NPCと共に生活して消えるルートであったり、直井の催眠術でリーダーのゆいやメンバーがこの世界から消されてしまったり、そしてゆりに何度もキスを試みようとして戦線を除名させられてしまったり…、といくつものBADエンドが用意されています。
ゲームならではの展開が見ることができ、とても満足できるクオリティです。
NEXT BEATエンド
ユイ・岩沢・松下の3人をクリア後、プレイできるルートです。
シナリオ量は「次回予告」程度の量で、2nd beatの繋ぎとして描かれたルートです。ストーリー展開などは原作(アニメ)とほとんど同じ。
レコード
1st beatには「レコード」というトロフィー機能のようなものが用意されており、全部で200種類ものレコードがあります。
- ユイに「お兄ちゃん」と呼ばせた
- ゆりの胸を揉んだ
- ロリコンをカミングアウトした
- 日向のイケチンを見た
などなど、ルートまで用意されていないにしろ、選択肢によってさまざまなイベントを見ることが可能なのが分かります。三角関係イベントや、日向とキャッキャウフフする汚いイベントまで…。本当に「ゲームならでは」の展開を楽しめます。
1st beat 総括
全ルートクリア後のタイトル画面が、卒業した3人の報われているシーンに差し替わった瞬間…「あぁ…、Angel Beats!やって良かった」と思わせてくれます。ゲームならではの笑えるシーン、感動的なBGM、卒業するまでの涙ぐましいストーリーは、このAngel Beats!だけでしか味わえません。
全キャラクター二十人に感動的なストーリーが用意されていると思うと、2nd beatも楽しみで仕方がないです。
アニメを一度でも見た方は、後悔することのない、とても満足の出来る作品となっています。