今回紹介するのは、あの超名作、『G線上の魔王』です。
なんとこの作品は、美少女ゲームアワード2008大賞を受賞し、さらに同時にシナリオ賞、グラフィック賞、ユーザー支持賞も受賞しているのです。鬼のような評価です。
そして作者は、あの名作『車輪の国、向日葵の少女』を生み出している「るーすぼーい氏」。これで人気が出ない訳がありません。
そんな名作の魅力を、今回は伝えていきます。
ストーリー
一介の学園生である主人公・浅井京介
友人たちと学園で過ごす彼は、義父の片腕として腕を振るう『ビジネスマン』の顔もあった。
そんなある日、気怠げなテンションでロングヘアーの転校生、宇佐美ハルがやって来る。
ハルは突然、京介の裏の顔を見透かすように問いを発した。
「魔王、知らないか?」
時を同じくして、仕事をこなし続ける京介に一通の奇妙なメールが届く。短い文面の件名は「The Devil」。そして義父たちの「ビジネス」を妨害し始めた「魔王」らしき存在。
義父の命令を受けて「魔王」の炙り出しを始めた京介は、彼らを挑発するように引き起こされる数々の事件を、ハルと共に追うこととなった。
この3つの魅力が人気の理由
手に汗握る、魔王とハルとの心理戦
この作品の魅力は、なんといっても予測させない高レベルな心理戦です。
主人公とハルが協力し、誘拐や身代金事件などを起こす魔王を追いながら物語が進んでいくのですが、これがまたおもしろいのです。
真相が予想できそうでできない、という絶妙なラインがあるためにプレイヤーである自分も一緒に考えさせられ、久しぶりに飽きさせないゲームに出会えました。
そして心理戦といっても「どういった心理戦なの?」と思う人もいると思います。ずばり、このゲームの最大の頭を使わせる設定は、魔王の正体は主人公なのではないかということです。
主人公と魔王の入れ替わり
魔王が主人公にとって好都合の行動を取り、それが主人公の手助けとなっていることが疑いの始まりです。
さらに、主人公に頭痛が起きるたびに魔王の視点に切り替わるのです。
「えっ?もしかして魔王の正体って主人公?!」と、プレイヤー自身にも疑わせることで、一気にゲームの世界観に引き込まれます。
こういった主人公の謎をメインに、様々な事件や問題を主人公とハルは追っていきます。
所見プレイならば、謎とドキドキの連続で何時間もプレイしてしまうほどの心理戦だと今でも思っています。それほどのものでした。
ちなみに私は6時間ぶっ続けでプレイしてしまい、感動とともに軽い腰痛も与えてくれました。
BGMはトップクラス以上
G線上の魔王の魅力として、さらに伝えたいのがBGM。ほとんどのレビューで「BGMの完成度が高すぎる」と書かれているほどです。
この作品には、実在するクラシックの楽曲をアレンジしたものが多数使用されています。
推理中のハラハラ感を掻き立てられるBGMや、起承転結の『転』の部分の盛り上がりを勢い良く表現したBGMなど…。
オリジナルサウンドコレクションも発売されており、Amazonのレビューでは文句なしの高評価ばかりです。
ゲームを終えた後に聞くG線上の魔王のBGMは、もはや醍醐味の一つです。
G線上の魔王 まとめ
G線上の魔王を一言で表すとしたら、「ゲームに引きずり込まれるほどの心理戦を味わうことができる」作品です。
もちろんそれだけではなく、復讐の連鎖というテーマもあります。これはよくアニメやゲームで目にするようなありふれた『復讐』ではなく、『本当の復讐』といった感じがしました。
うさんくさい言い回しになりましたが本当です。2008年の美少女ゲーアワード大賞受賞はダテじゃないです。
また、魔王のボイス担当が『作品:コードギアスの主人公、ルルーシュ』の声優だということも、このゲームが有名になった一因なのだと思います。
心理戦、といったひと味違ったジャンルを探している人にはもちろん、幅広い層にも自信を持っておすすめできる作品がこの『G線上の魔王』です。
私がR18ゲーにハマった、きっかけになった作品でもあります。